少額で外国為替証拠金取引投資

2007年初め、ドル円相場は1ドル120円台と円安ドル高の状況でした。おかげで、さらなる円安ドル高を予測した多くの個人投資家の注目が投資信託よりFX(外国為替証拠金取引)に集まりました。しかし、その予測を裏切り、ドル円相場はその後円高ドル安に転換し、ドル円相場は現在、1ドル110円を切る状況になっています。円安ドル高を期待してFX 取り引きを始めた個人投資家の中には損失を被った人もいるかもしれません。FX 先物取引は証拠金取引です。そのため、総取引代金の数%程度の少額の証拠金(担保のようなもの)を委託すれば取引できるのが特徴です。たとえば、外貨預金で米ドルを100万円分買おうとすると、100万円のお金が必要になります。しかし、FXで100万円を取引する場合には、取引する通貨にもよりますが、おおよそ5〜10万円程度のお金があれば取引を始めることができるのです。このように少額で取引できる点が、個人投資家の人気を集める理由の1つとしてあげられます。外貨預金100万円が110万円になったら、10万円の儲けです。一方、FXの証拠金100万円で1000万円の取引をして1100万円になったら、100万円の儲けです。元手資金100万円に対してFXの方が儲けが多く、とても効率の良い脱毛と言えます。しかし、必ず儲けられるとは限りません。外貨預金100万円が90万円に減ってしまえば、10万円の損失です。一方、FXで1000万円が900万円に減ってしまえば、100万円の損失になってしまうのです。元手の資金を増やせば、儲けも増えますが、損をした場合の金額も増えてしまいます。FXでは自分の資金力以上に取引することが可能ですが、不動産担保ローンの損失を被った事態を常に想定して、まずは少額資金で投資を始めることが大切です。先週は、概ね円高基調で推移しました。週の半ばにかけて109円台の局面があったものの、長期金利の高止まりにも見られるように、日本の景気回復への期待感を背景に円を買う動きが根強く、ドル/円は一時107円ちょうどまで下落しました。 この動きのきっかけとなったのは、先々週の金曜日(18日)に米商務省が発表した1―3月期の経常収支でした。それまではドル/円が110円を挟んだもみ合いとなる中で、相対的に好材料に欠けるユーロが対ドルで1.2ドルを割り込む,という展開でした。しかし四半期ベースでは過去最大となる1448億7900万ドルという経常赤字を受け、ドルはその日のうちに108円台に急落しました。有力証券各社のエコノミストたちも、「双子の赤字」懸念を理由に、ドルの見通しを一斉に下方修正しています。米シティグループのグローバル通貨戦略責任者、ロバート・ シンチ氏は、「われわれは収支不均衡の拡大に焦点を 移している」「米資産に対する海外の需要が減速している兆候が見られる」と指摘し、経常収支が今後さらに悪化すればドルに悪影響を与える可能性があると説明しています。しかし、経常収支が悪化する一方で、少なくとも数字の上では海外資本の米国への流入が増加しています。経常収支と同時に発表された1―3月期の資本収支は、1583億100万ドルの流入超過でした。先ほどの経常赤字とほぼつり合う金額です。経常赤字国に転落して以来の、米国のファイナンスのパターンが繰り返されています。もちろん、この期間に日本が円売り介入した金額は15兆2000億円、1ドル=108円で換算すると約1400億ドルに上っていました。民間の資金はどうなのかという懸念は以前からありますが、スイスのクレディ・スイス・ファースト・ボストンの通貨ストラテジスト、ジェーソン・ブランカ氏も、改めてこの点に着目しています。彼は「対米投資資金が多ければドルにとっては好ましい」が、「資金はあまりなく、ドルが下落しない限り米国への資本流入はさらに難しくなるだろう」と指摘し、やはりドルの予想を下方修正しました。 では、4月以降はどのような動きになっているでしょうか。まだあまりデータはありませんが、15日に米財務省対内対外証券投資データが発表されています。これによると、4月の米国への証券投資関連の資金流入は761億ドルと、3月の806億ドルからはやや減少したものの引き続き高水準となりました。この期間の日本の介入は、すでに発表されているとおり(4月に続き5月も)ゼロですから、米国への資金流入の構造は3月までとは違っていることが想像できます。